Aの帝国が完全に「同じ」人だけになりきる前に、
すでに「同じ」になってしまった部分を取り除かないと、
A自身が死ぬ前に、その帝国が、
「同じ」まま、動かなくなって、
A自身も消える可能性があるかもしれないことは、
Aは、怖くないのかな?
壁に貼られてた、Aがみんなと写っている写真。
Aは、だれよりも、そこに、居なかった。
わたしは、戦慄した。
人に寄生して、その体を蝕むウイルスを目撃した気がした。
Aは、知らないうちに、わたしたちのところへ来た。
そして、静かに、ウイルスを配置していったんだと思う。
ウイルスが頭に入って、
思考を奪われてしまった人もいるのかもしれない。
Aが、誰にもバレないように、
正反対の言葉で飾り、2000円くらい持っている人なら、
誰でも買える、世界中に向けて売っている、
その商品の実体は、
特効薬が存在しない「死の病」のウイルスだ。
***
Aは、わたしの心臓に、時限爆弾を仕掛けた。
その爆弾は、わたしがある選択をすると、爆発する。
もしかしたら、
Aは、わたしを守ろうとしてくれているのかもしれないし、
その逆なのかもしれない。
わからない。
ワタシハ ドウシタラ イインダロウ
つづく