つづく
朗読版:
文章版:
小学校卒業後から「もっこ」をかついで、
(↑ 砂が入ったかごに木の棒を渡して、前後を二人でかつぐ作業具)
50年間、炎天でも雪の日でも空の下で働いて、
最期、空の下で、あおむけで、空を見て、
稲刈りが終わって少し経った頃、
わたしは今、右指先に、深いやけどを負っている。
わたしの右目は、毎日、夜になると、光が射して、見えにくくなる。
褐色の首筋を覚えている。20年前、
色白のあなたが、真っ黒に日焼けした。
その首筋には、血の色の汗がにじんでいた。
あのとき、その目には、何がうつっていたの?
お昼を食べたあと、玄関に座った足元には、
わたしは、この環境に、耐えられるのか?
つづく