朗読版:


 

文章版:

小学校卒業後から「もっこ」をかついで、

(↑ 砂が入ったかごに木の棒を渡して、前後を二人でかつぐ作業具)

50年間、炎天でも雪の日でも空の下で働いて、

最期、空の下で、あおむけで、空を見て、

 

稲刈りが終わって少し経った頃、

「絶望の海岸③」の続きを読む…

わたしは今、右指先に、深いやけどを負っている。

わたしの右目は、毎日、夜になると、光が射して、見えにくくなる。

 

褐色の首筋を覚えている。20年前、

色白のあなたが、真っ黒に日焼けした。

その首筋には、血の色の汗がにじんでいた。

あのとき、その目には、何がうつっていたの?

 

お昼を食べたあと、玄関に座った足元には、

「絶望の海岸②」の続きを読む…

わたしは、この環境に、耐えられるのか?

わたしの寿命は、次の瞬間、終わるかもしれないし、終わらないかもしれない。
餓死を試したあの最後の日、私は、水を飲みたくなった。
意思なのか、わからない。飲んでいた。
いつかの4月、引っ越してきたばかりのアパートで、
真夜中のユニットバスで、裸で、頭から、シャワーを浴びて、
両耳をふさいで、泣き続けた。
わたしが死ぬまで、事故や病気が無ければ、あと60年は、時間がある。
ぞっとするほど、永遠に思える、永い、永い、時間。
あの道を、歩いて、山と反対側に向かうとき、
その建物の中で、頭から、強アルカリの液体を浴びた事故、あの日、
わたしが、結婚しないと決めた理由、その理由が人としたら、
「その人が大切な人」は、わたしじゃ無かった。
わたしの目は、右目は、

つづく